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彼方の男、儚い資料体

開催期間2019年11月11日(月)~2019年11月22日(金)
休館土・日
時間11:00~18:00
会場慶應義塾大学アート・スペース
ホームページhttp://www.art-c.keio.ac.jp/news-events/event-archive/themanwho-2019-1-2/
住所東京都港区三田3-4-5 三田キャンパス 南別館1F
お問い合わせ先E-mail ac-tenji@adst.keio.ac.jp  Tel. 0354271621
ジャン=ユベール・マルタンの撮影による写真(1993)より
 ある特定の誰かについて、面白い人だ、あるいは退屈な人だと語るとき、私たちはその人物のさまざまな振舞いをひとつの平板なイメージへと還元し、本質として固定しようとしている。しかし、当然ながらその人物は面白い振舞いをするときもあれば、退屈な振舞いをするときもあるだろう。さらには、振舞いの興趣に関する判断は視点によって異なるはずだ。

 奥村雄樹による今回の個展の中核を成すのは、「彼」と呼ばれる誰かをめぐる9人の回想で構成された映像作品《彼方の男》(2019)である。そこで奥村は、ひとつのイメージへと固定化されてしまった「彼」の振舞いの束を、一連の手続きを通じて解きほぐし、写真乾板を重ねるようにイメージを多層化してみせる。つまり「彼」は、発語されるその局面においては常に単数の「彼」でありながらも、9人の発話を通じて複数の「彼ら」へと生成するのである。そのとき彼=彼らは、最も一般性の高い存在と最も具体性の高い存在とに引き裂かれる。私たちが出会う「彼方の男」は誰にでもよく似た彼=彼らであるとともに、誰にもまったく似ていない彼=彼らの分身である。

 さらに本展では、会期中のみ、同作に関連する3点の物品で構成された資料体が慶應義塾大学アート・センターのアーカイヴに追加される*。こうして、映像作品であると同時に口述資料でもある《彼方の男》とあわせて、アーカイヴにとって資料とは何か、資料を通じてどういった可能性が開かれるのかといった問題について、新たな思索が促されることになる。映像のなかで「彼」との記憶を述懐する9人がそれぞれに体現するように、私たち自身もまた、誰もがこの世界に仮設されたひとつの資料体なのである。

* 利用を希望する方は事前に予約してください。
ご予約は、http://www.art-c.keio.ac.jp/archives/visit-contact/
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 主催者より2019.10.21 
展覧会は無料でどなたでもご覧いただけます。
期間中に特別に追加されるアーカイヴ資料を別途ご覧になりたい場合は「上記事前予約」が必要です。
よろしくお願いいたします。
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